牛乳と猫スーツ。
「あの2人は…。」
苦笑しながら直樹は呟く。
「直樹〜!」
遥が手を振りながら走ってくる。
「直樹、明日空いてる?」
「空いてるよ。」
「そう、良かった!なら明日ね!」
遥はホッとして、嬉しそうにウィンクした。
「明日、何かあるの?」
「デートよ。約束したでしょ?」
「あ……うん、そうだった。」
「何?嫌なの?死にたいの?」
遥はどこからともなくナイフを取り出す。
「嫌じゃないから!むしろ楽しみだから!」
高速で首を横に振りながら、直樹は言った。
「ちゃんと掃除します…。」
「私、素直な子は好きよ。」
大人しく掃除する蓮を、真由香は微笑みながら見ていた。
「蓮さんって、真由香さんが苦手なのかな?」
「苦手なのもあるかもしれないけど、それ以上に負い目を感じているんじゃない?」
「え?遥、それどういう―――」
『はるっち〜。会議始まるよ?早く来て〜。』
校内放送で、彩華が遥を呼んだ。
「ゴメンね直樹。私、行くから。」
遥が校舎の方へ走っていった。
「負い目って…何なんだよ。」
蓮と真由香を見ながら、直樹は呟いた。