牛乳と猫スーツ。



「あの2人は…。」




苦笑しながら直樹は呟く。







「直樹〜!」




遥が手を振りながら走ってくる。









「直樹、明日空いてる?」



「空いてるよ。」




「そう、良かった!なら明日ね!」





遥はホッとして、嬉しそうにウィンクした。







「明日、何かあるの?」




「デートよ。約束したでしょ?」





「あ……うん、そうだった。」




「何?嫌なの?死にたいの?」




遥はどこからともなくナイフを取り出す。






「嫌じゃないから!むしろ楽しみだから!」




高速で首を横に振りながら、直樹は言った。






「ちゃんと掃除します…。」




「私、素直な子は好きよ。」




大人しく掃除する蓮を、真由香は微笑みながら見ていた。






「蓮さんって、真由香さんが苦手なのかな?」





「苦手なのもあるかもしれないけど、それ以上に負い目を感じているんじゃない?」




「え?遥、それどういう―――」





『はるっち〜。会議始まるよ?早く来て〜。』




校内放送で、彩華が遥を呼んだ。





「ゴメンね直樹。私、行くから。」




遥が校舎の方へ走っていった。







「負い目って…何なんだよ。」




蓮と真由香を見ながら、直樹は呟いた。
< 1,083 / 1,131 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop