牛乳と猫スーツ。



「手…?誰の?」




顔を右に向けると、長い銀髪の女の子が寝ていた。







「会長?ん…?ああ、彩華さんか。」




ほどけた黒いリボンと胸の大きさで彩華と判断する。





「無防備な寝顔だな。写メ撮って後で見せよう。」




カシャッとシャッター音が鳴ると同時に彩華が直樹に抱き付く。






「うわぁぁぁ!?」




「う〜。まだ…食べて……ます…。」




何か食べている夢でも見ているのだろう。





「それにしても、優華さんと似ているのはわかるけど……女バージョンの会長とも似てるよな。」



彩華の前髪を左手でかき上げる。






「まだ…食べて…るからぁ〜。お皿を…持って行かないでぇ〜!!」




「はい?何を言って―――――いだだだだだ!?」




おもいっきり力を入れて抱き付くので、直樹の骨がメキメキと悲鳴を上げる。





「ちょっと…彩華さん……骨が…折れそうです…。」




彩華の肩を持って揺すっても、起きる気配はなかった。





「うおおおぉぉ…。折れ…折れる。」




この後、彩華の寝相の悪さを忘れていた蓮と、様子を見に来た優華が来るまで、この抱き付き地獄は続いた。
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