牛乳と猫スーツ。
「ん?悠斗、スト〜ップ!」
彩華の言葉に、悠斗がお腹でブレーキをかけて止まる。
「直樹くん、何してるの?」
「うん、それはこっちのセリフですね〜。」
直樹が笑顔で言った。
「悠斗を車にしてただけだけど?直樹くんも乗る?」
「いやいやいや、乗らないよ…。流石に悠斗がかわいそうだし。」
「そう?でもあの子乗ってるけど。」
「えっ!?」
驚いて振り返ると、忍が悠斗に乗って端まで行ってリターンしているところだった。
走っている間、なぜか悠斗は腕立てをしていた。おそらくそれが前に進む動力になっているんだろう。
「楽しかった…………。」
「そっか…それは良かった…。とりあえず悠斗から降りてあげて。」
忍が名残惜しそうに悠斗から降りる。
「悠斗、なんでこんなことになったの?」
「俺は普通に腕立て伏せやってただけなんだが…。そこに蓮さんと彩華が来て、『もっと効率の良い腕立てを教えてやる』って言ってきてな…。気付いたらこんな状態さ。」
蓮という名前に忍がピクッと反応する。
「俺達、会長を捜してるんだけど、どこにいるの?」
「姉貴ならもういないよ〜。売店の方に歩いて行ったけど。」
「ありがと、彩華さん。それじゃあ、売店の方に行ってみるよ。」
2人と別れて、直樹と忍が歩き始めた。