牛乳と猫スーツ。
【寮・中庭】
「あれかな?」
中庭の真ん中に一際目立つ集団がいた。
7人いるが、みんな着物を着ているので、他の生徒がチラチラと見ている。
その中に蓮の姿があった。
菫にしてもらったのか、蓮は化粧をしており、長い髪は団子にして簪(かんざし)を挿し、さらに見慣れない着物姿なので、一瞬誰かわからなかった。
蓮が茶をたてて、その横には1人が座り、後の5人は蓮の前で横に並ぶように座って見ている。
「練習の手伝いかな?」
「蓮、うまい………。」
忍が言ったように、蓮はまるでテレビで一流の人を見るようだった。
蓮が茶を隣に座っている人に渡す。
「結構なお手前で。フフッ、腕を上げたわね。」
「いえ、先生にはまだまだ及びません。」
「そんなことないわ、でもポイントを言うとね。」
先生と言われた人が蓮と場所を変えて、茶をたてながら教えていく。
「あの人、家庭科の新田(にった)先生じゃないか!?普通に生徒かと思った…。こーちゃん先生と新田先生は年がわからないんだよな、たぶん見た目より上だと思うけ―――――どおおぉぉぉっ!??」
急に何かが飛んできて、直樹がギリギリでかわす。
振り返ると、木にハサミが刺さっていた。