牛乳と猫スーツ。
髪はピンクに近い紫色のショートカット。
胸ポケットにはキラッと光る金色の胸章、そこには風紀と書かれていた。
風紀委員長の柊真里香である。
女の子は舞台の近くを見ると、はあと小さく溜め息を吐く。
そこには楽しそうに話している直樹と彩華がいた。
「なんで私はあんな風に話せないんだろ…。」
言い終えて、もう一度溜め息を吐く。
その様子を、姉の真由香が少し離れた場所で見ていた。
「あら?」
近づこうとした真由香が足を止めた。先に近づいた者がいたからである。
「なにしてんだよ、柊。」
真里香に話しかけたのは悠斗だった。
「大原悠斗…。」
後ろにいる悠斗をチラッと見て、すぐに視線を戻す。
「直樹といかねぇのか?」
「別にいいじゃない、そもそも私はこんなイベント参加しないわよ…。」
「最近仲良いよなアイツら。」
直樹の方を見ながら悠斗が言った。
「そうね…。」
真里香はギュッとイブ・カードを握りしめる。
「遠慮してんのか?」
「はぁ!?遠慮なんかしてないわよ!遠慮なんか……してない…。」
うつむきながら言う。