牛乳と猫スーツ。
「行ってこいよ。」
「え…?」
振り返って悠斗を見る。
「あんま深く考えねぇでさ、いつもの柊で行けばいいんだよ。」
「でも…。」
「ほら!」
ポンッと真里香の背中を押す。
「ち、ちょっと!」
「遠慮しねぇんだろ?」
ニカッと笑顔で言う悠斗。
真里香はそのまま直樹の方に歩いて行った。
「やれやれ。」
悠斗は、ふぅと息を吐く。
「悠斗ちゃん。」
後ろから話しかけられて、振り返る悠斗。
「真由香さん。」
「ありがとね。あの子、最近萎縮しちゃって。」
真里香の方を見ながら言う。
「真里香は諦めるつもりッスかね…。」
「私はあの子には、あまりとやかく言わないようにしてるの。想い続けるのも、諦めるのも、あの子が決めなきゃいけない事だから。」
「背中も押してやらないんッスか?」
「本当に潰れそうなとき以外はね。」
無垢な笑顔で答える真由香。
「きびしいッスね〜。」
悠斗は笑いながら言う。
「本当にそう思ってる?」
「いいえ。」
「フフッ。思った通り、悠斗ちゃんはいい男ね。スタンプラリーに付き合ってくれないかしら、紳士さん。」
「よろこんで。」
2人で体育館から出て行った。
【新館1階・空き教室】
「これも見た光景だな…。」