牛乳と猫スーツ。
「くっ…。近づけない。」
直樹は逃げの一手だった。
「やっぱりこの程度か…。」
知佳から笑みが消えて、最初の不機嫌そうな顔になる。
「え?」
知佳は目を見開いた。普通なら、もうすでに弾が当たっているはずだが、弾が当たらない、むしろ直樹の動きに追いつけなくなっていた。
「弾が遅く見えるようになってきた。これならいける!」
異常な速さで相手猫スーツに近づき、回し蹴りを腹に打ち込む。
猫スーツが吹き飛び、動かなくなった。
「蓮が執着するわけだね。」
パソコンにはLOSTと大きく画面に映し出されていた。
「はい、次いくよ〜!」
「え!?まだあるんですか!!?」
この後も、何体もの猫スーツと戦わされ、気づいた頃には夕方になっていた。
「ありがと、もういいよ。」
ノートパソコンの電源を切り、動かなくなった猫スーツの頭部から何かのパーツを取り外す。
「あの、1つ聞いていいですか?」
「何?」
知佳は振り返らず、後片付けをしながら言う。
「会長に体が変化する薬をどうしてあげたんですか?」
「………………。」
ピタッと、作業の手が止まる。
「それは蓮に聞いて、話すかどうかは知らないけど…。」
「そうですか…。」
「はい、片付け終わり。戻るよ。」