牛乳と猫スーツ。
足を振ってロボット払う。
勢いよく飛んで、グシャッとロボットが落ちて壊れる。
落ちた先には廊下や壁、天井にまでロボットが埋め尽くされていた。
足の痛みを耐えて直樹は走る。無我夢中で走り続けた結果は…。
「あはは……。」
その扉は本館と別館を繋ぐ渡り廊下。
まだ足場が造られただけで危険なのでカードリーダーのランクはSだ。
開くはずがなかった。直樹は扉にもたれて座る。
カシャンカシャンカシャン……。
ロボットに追い詰められた。
どんどん近づいてくる。
「(終わった……。)」
上を向いて、全身の力を抜いた時。
『マスターカード、神崎蓮と確認。ロックを解除します。』
ガチャンとロックが解除される音と共にシステム音声が聞こえた。
扉が開くと同時にもたれていた体も倒れて、体半分が渡り廊下に出る。
スローモーションのように、とてもゆっくりと倒れていく。
そして直樹の上を人影が飛んでいた。
「(会長…?)」と、心の中で呟く直樹。
その人影は蓮ではなかった。でも直樹にとっては前に一度見た光景だった。