牛乳と猫スーツ。
「あなたは人を殺す気ですか!?」
近くの窓を開けて、換気する。
「せっかく作ったのに…。」
かなり残念そうに実習室へ入っていく真由香。
「真由香に悠斗。どうかした?」
後ろから声がした。
3人が振り返ると、そこには夕日のようなオレンジ色の少しウェーブがかかった髪が腰まで伸びた、直樹より少し背の高い女子生徒がいた。
「伊織先輩。睦美先輩からここにいると聞いたので、部隊報告書を届けに。」
「ありがとう、確かに受け取ったわ。」
「後、紹介したい人が。」
真里香が直樹を前に出す。
「あら。あなた、蓮の…。」
「は、はい。たまに訓練を一緒にさせてもらってる阿部直樹です。」
「私は九曜(くよう)伊織。1番隊・隊長、並びに分隊長をしています。」
落ち着いた物腰で話す伊織と握手を交わす。
「あの、分隊長というのは?」
「会長が不在の時に、分隊を指揮する者ことよ。分隊は本隊と別行動が多いから。」
「伊織さん、どこか行ってたんッスか?」
悠斗が伊織の持っていた紙袋を見て言った。
「コレは調味料。真由香先輩が困ってたから、買ってきたのよ。あの人、調味料ないと薬品使うから。」