牛乳と猫スーツ。
「本当にね。それじゃ、この平和に…。」
真里香が紙コップを悠斗の前に出す。
「俺達みんなの楽しい学園生活に…。」
真里香の前にサイダーが入った紙コップを出す。
「「乾杯。」」
こぼれないように、軽く紙コップを合わせた。
沙織はお菓子をつまみながら、分厚い小説を呼んでいた。正座して座る彼女の左右の膝を、優華とエリーゼが枕して寝ていた。それを見て、沙織はクスッと笑う。
「本当に平和だな…。」
本にしおりを挟み、沙織は木の枝に止まる、仲むつまじく寄り添う小鳥のつがいを見た。
「戦っていたあの頃が嘘のようだ。平和のために命懸けで戦い、平和になれば残った命で楽しむ。私は心の底から、今を楽しんでいるよ。」
2人の頭を撫でながら呟く沙織だった。
…………………。
…………。
…。
【体育館付近】
そこには古くなった倉庫を直す蓮がいた。彼女は最近、あまり騒がずに花の世話をしたり設備の修理などをしている。
「蓮ちゃん。」
振り返ると、スーツ姿の真由香がいた。
「どうしたんですか、柊先生。」
「もう、他人行儀ね〜。前みたいにフレンドリーにしてくれない?」