牛乳と猫スーツ。
【次の日】
スズメが目覚ましのようにさえずり、直樹は目が覚めた。
「お・は・よ。お兄ちゃん♪」
下ろした長い黒髪が、カーテンから差し込む光で輝く。黒いレースの大胆な下着姿で隣に寝ているのは実の妹の美樹である。
直樹は特に驚きもせずに、左手で美樹の首根っこを掴んで部屋の外に放り出した。
「ちょ、ちょっとお兄ちゃん!?入れてよ!男子寮内で下着姿って、見つかったら襲われちゃうよ!!」
「いや、たぶんドン引きされるだけだ。」
「それもイヤだよ〜!!」
美樹は服を着るという約束で部屋に入れてもらった。
「まったく、寮なんだから実家と同じようなことするなよな。」
そう呟きながら、直樹は二度寝しようと寝室に入ったとき…。
「おはよ、あ・な・た。私にする?私でする?それとも私?」
「選択肢が1つだけだし、それ仕事から帰った旦那に言う言葉だろ。」
美樹に気を取られて気づかなかったが、下着姿の遥もいた。
シュルシュルシュル…。
何かが滑ってくる音が聞こえる。そして何かが落ちてきて直樹とぶつかり、遥の方へ倒れ込む。