牛乳と猫スーツ。
「覚えていないかもしれないが、私は君に会ったことがあるんだよ。いや、本当に大きくなった。」
年齢58歳、理事長は副業のようなもので、本業を知るものは少ない。また別の話になるので、詳細はお教えできない。
「君を呼んだのは他でもない。実は今日、『ある行事』が行われるのだよ。」
「行事?」
「ああ、それで君にはその行事をド派手にやってもらいたいんだ。」
「ど…ド派手。」
「そう、ド派手だ。生徒が皆、真剣に取り組むために。」
………………………。
……………。
……。
昼休みが終わり、生徒は自分達の教室に戻った。
「それじゃ、今から配る物をつけてね〜。」
真由香が大きな段ボールから何かを取り出して配っていく。
それは創立記念大会のときに付けた時計型体力計。そして分厚い眼鏡だった。
「それじゃ、頑張ってね〜!」
真由香は教室を出て行った。
ピンポーンとスピーカーから放送の合図が聞こえた。