牛乳と猫スーツ。
4人は散開して、突進を避ける。オス鹿は止まらず走って行く。
「ちょっと、そっちには蓮が!?」
雪は蓮を見た。未だに蓮は猫を見ていた。
「さ、触ってもいいですか?」
なぜか蓮は猫に敬語を使っていた。
「ニャ。」
低い声で鳴く猫。
「かたじけない。それではさっそく――――」
ドン!!
塀にオス鹿がぶつかり、猫は逃げてしまった。
「え?」
伸ばしかけた手が止まり、蓮は壊れかけたロボットのように音を立てながら首を横に向ける。
「あ?何見てんだテメェ。」
オス鹿(声・すみ…以下略)が蓮を睨みつけながら言う。
「き、き…貴様ぁ〜。もう少しで、立派な猫様に触れられるところだったのに…。」
プルプルと震えながら怒りをあらわにし、オス鹿の頭に左手を当てる。
「死ね…。狼波滅砕――――」
「ば、バカ!止めろ、蓮!国の天然記念物だぞ!!」
次狼が蓮の両脇に腕を回して、オス鹿から離す。
「離せ!離せ、次狼!!こいつは、こいつだけはぁ〜!!」
暴れる蓮に、オス鹿は後退りする。
「ブッ殺す!!」
蓮がギロッと睨みつけると、オス鹿は慌てて逃げて行った。
「あなた達〜。もうすぐ出発するわよ〜!」
蓮達の担任になった雪の姉である氷が手を振りながら言う。