牛乳と猫スーツ。



「ニャ!」




痛みがやわらいだのか、子猫は走って行く。すると、遠くの家の塀から親猫が下りてきて蓮に頭を下げ、2匹はゆっくり歩きながら、どこかへ行った。






「ん?どこだここは?」




ようやく自分がみんなとはぐれたことに気づく。どうしようか考えていると、奈良で見た猫よりも大きな猫が塀を歩いて行った。






「おお!?素晴らしい!」



蓮は猫を追いかけた。途中で猫を見失ったが、追いかけているうちに路地から出ていた。





目の前に本日開店とのぼりが幾つもの立っている店があり、蓮は道を聞こうと中へ入ることにした。




………………………。





……………。





……。





そんな蓮に気づくことなく、次狼達はお守りを買ったり、絵馬を書いたり、参詣したりしていた。




「なんでここには牛の像があるの?」




晶が首を傾げながら像を見ていた。






「牛は天満宮では神使とされていてな、その理由は主祭神である菅原道真の出生年が丑(うし)年、亡くなったのが丑の月の丑の日、牛が刺客から道真を守ったなどの多くの伝承にちなんで置かれているんだ。」





「博学だね〜次狼。」




「レポートがあるんだから少しは勉強しておけ晶。さあ、次に行こ――――ん?蓮はどうした?」



全員が周りを見回すが、蓮はどこにもいなかった。






「また猫でも見つけて追いかけて行ったか。」




クスッと笑いながら菫が言った。
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