青い向日葵


俺をのぞき込んでいたのは、同じクラスの杉本 秀(しゅう)だった。


意外な人物がそこにいたので、思わず目を見開いてしまった。


「優等生がサボリか?」


体を起こしながら尋ねると、杉本は、


「こういう日は勉強するより、外の空気を吸って気分転換した方がいい」


と言ってにっこり笑った。


彼の穏やかな雰囲気と白い肌は、女よりも女らしいかも、と思った。


「お前もサボったりするんだな」


すると、杉本は少し苦笑して、


「実はこんなサボり方をしたのは初めて」


と言った。


ポケットに手を突っ込んでフェンスにもたれた杉本の髪が、風にのってさらさらとなびいた。

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