ちび×ひめ Ⅰ
息を切らしながら、いつも思う。
どうして、いつもと。
見たくて見てるわけじゃないのに……。
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『あら、とーるちゃん? お茶碗は四つでいいのよ』
『え……? でも……。そこにいるお客さんたちの分』
それは夕食の支度を手伝っている最中だった。
四人分の席に対していたのは、
親戚のおじさん、おばさん、その息子、あたし。
これはおばさんたちが見てた景色。
だけど、あたしにはその時、
おじさん、おばさん、息子、あたし。
そしてあと二人いた。
髪が長く灰色の着物をきて薄気味悪く笑って手を振った女の人と
若緑色の着物を着た、お面の人だ。
その後、あたしが言ったことに周りは凍てつきながらも苦笑いした。
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そして、夕食し終え、静かに寝静まった後
一室の部屋に明かりがついていて、
気になったあたしは部屋を覗き込んだ。
その部屋にいたのはおじさんとおばさん。
『あの子今日、また変なことを言ったのよ』
『気を引きたいんだよ。寂しいんだよ』
『そうなのかしら? なんだか気味が悪いわ』
…………。
『あの子』という言葉が聞こえて、すぐに会話の内容は分った。
あたしのことなのだと。
その三週間後、別の親戚へとあたしは回された。