アニマルマジック
「どこ行くんだよ」寝ぼけた目ではなくしっかり開かれている目。
「いつから起きてたの?!」
「さあ?」とぼけながら私の腕を引っ張る竜二。その反動で反対の手に持っていた鞄を落としてしまった。
「竜二!?」私は竜二の腕の中に居た。そんなことされるなんて思わなかったから胸がドキドキしていた。
「俺のことそんなに好きだったんだな。知らなかったわ」
゙大好きだよ゙さっき竜二の頭を撫でながらそんなことを言ったのを思い出した。
「ちょ、ちょっと待って!!竜二、いつから起きてたの?!」私は竜二の胸板を押して竜二の顔を見る。
「名前呼ばれたときから?」いつもと変わらない無愛想な顔なのに『愛しい』そう思った。
「バカ……恥ずかしいじゃん。」
「バカ?バカは桃子だろ」そう言ってキスを重ねてくる。何度かキスを繰り返すと彼は私を抱き締めた。
「帰るか?」
「イヤ……」
こんなに優しくされたら帰りたくない。もっともっとギュッとしてほしい。
ずっと側に居てほしい。
竜二、ずっとそのままだよね?