アニマルマジック

「どこ行くんだよ」寝ぼけた目ではなくしっかり開かれている目。

「いつから起きてたの?!」
「さあ?」とぼけながら私の腕を引っ張る竜二。その反動で反対の手に持っていた鞄を落としてしまった。

「竜二!?」私は竜二の腕の中に居た。そんなことされるなんて思わなかったから胸がドキドキしていた。

「俺のことそんなに好きだったんだな。知らなかったわ」

゙大好きだよ゙さっき竜二の頭を撫でながらそんなことを言ったのを思い出した。

「ちょ、ちょっと待って!!竜二、いつから起きてたの?!」私は竜二の胸板を押して竜二の顔を見る。

「名前呼ばれたときから?」いつもと変わらない無愛想な顔なのに『愛しい』そう思った。

「バカ……恥ずかしいじゃん。」
「バカ?バカは桃子だろ」そう言ってキスを重ねてくる。何度かキスを繰り返すと彼は私を抱き締めた。

「帰るか?」
「イヤ……」
こんなに優しくされたら帰りたくない。もっともっとギュッとしてほしい。

ずっと側に居てほしい。


竜二、ずっとそのままだよね?

< 86 / 108 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop