アニマルマジック

**006


何日か立った日のことだった。順調だと思っていた私。

「最近、比嘉くんとうまくいってる?」友達が昼御飯を食べているときにふと呟いた。

「あ、うん。」ゆっくり微笑むと友達がやっぱりなと納得していた。

「何か、桃子の表情よくなったよね」
「うん、分かる分かる!」
「ありがとう」だって竜二が前のように優しく抱き締めてくれたから。だから前に戻れたんだと思っていた。

でも……
次の授業のとき。

「桃谷さーん」授業中、後ろのドアから聞こえる聞き覚えのある声。もちろん私を含めたクラスのみんなが後ろのドアに注目した。

「あ……」あの日から5日ぶりに見た彼の耳にはたくさんのピアスがついていた。前よりも明るくなった髪の毛も目立つ。

「こら!比嘉!」学校の中でも竜二を本気で怒れる体育の先生。

今は保健の授業でその一番怖い先生が教卓から竜二を思い切り睨んでいる。

竜二もなぜかこの体育の志波先生のことだけは信頼しているようでいつも先生と話しているところをよく見る。

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