アニマルマジック

「桃子に用事ー」手を制服のズボンに手を突っ込んで壁に凭れながら話す竜二。

久しぶりに会ったからかドキドキする。ドキドキしてる場合じゃないのに。

「ダメだダメだ」志波先生がしばしば後ろのドアのとこまで行って竜二を廊下へ追い出そうとする。

「頼む」廊下から響く竜二の声。

「何が頼むだ。ダメだ。お前の教室は向こうだ」
「マジで頼む。桃子ー今からジュース買いに「比嘉!」最初ドキドキしてた自分がなぜか恥ずかしくなる。

子供か、あいつは!!
ジュースて!

「お前ら自習しとけ。すまんな」志波先生は顔だけ教室に出して私たちに言ってどっかに行ってしまった。

廊下から聞こえる志波先生と竜二の声。

「やっぱヤンキーだね」後ろの友達に呟かれる。恥ずかしさが一気に込み上げてくる。

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