アニマルマジック

**007



家に帰ってからはあの竜二の悲しそうな目が頭から離れない。
彼は何を抱えているの…?私には救うことはできないの?
竜二…私、ずっと好きだよ。変わらないよ?

でも、私の願いは叶わなかった。

竜二はあの日を境にまた暴れるようになった。戻ってしまった。
でもなぜか怖い竜二じゃなくて…遠慮がちな気もする。
竜二の暴走はどんどん大きくなった。

テスト一週間前で、私は家に居た。
プルプルプルプル

“着信:比嘉竜二”

竜二からの着信だった。でも、なんか嫌な予感がして出たくなかった。でも鳴りやまない着信音。

「はい…」

<桃子~迎えに来て~ポリに捕まった>

「は?何で私が!!竜二、何したの!?」

プチっプープー

電話は見事に切れてしまっていた。
あいつは何を考えているのかまったく分からない。
こっちはテスト前だっつーの!!
心の中でぶつぶつ文句を言いながら私は近くの警察署に向かった。

「あの…比嘉竜二がお世話になってると思うんですけど…」
入り口でそう伝えると怖い顔をして私にこう返事してきた。
「まだ中学生だろ!?保護は大人じゃないとダメなんだ!!帰った帰った~」
その男の人はまるで私を相手にせず扉を閉めてしまった。

私はイライラしながら学校まで向かった。
「先生、お宅の生徒が警察に保護されてるみたいですけど!!」
私は偉そうに先生にイライラをぶつける。先生にキレても意味はないんだけどね。
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