アニマルマジック
竜二の担任の清水先生はびっくりした顔で私を見てきた。
事情を話すと先生はすぐに一緒に来てくれた。
「ごめんな、桃谷。テスト前なのに比嘉が迷惑かけて…」
申し訳そうに謝られると私が先生を傷つけたみたいな感じになってるじゃん。
「べ、別にいいんですけど…」
「お前、まだあいつと付き合っているのか!?」前に進みながら清水先生は尋ねてくる。
「まぁ、一応…」
「お前に迷惑かけてこんなことを言うのもあれだが…もう別れた方がいい。お前はテニスも勉強も人よりできる。比嘉が居たら妨げにならないか?大丈夫か?」分かってる。先生の言っていることは…でも、私が見捨てたら彼は…竜二は、どうなるの?
私は先生の言葉に口ごもった。
「まぁ、あいつにもほんとはいいとこあるんだよな…分かるよ。2年もあいつの担任してたら分かるよ。」先生は私の気持ちに察したのか優しい言葉をかけてくれた。
話しているうちに先程来た場所にたどり着いた。
先生が警察の人と話している間、私はベンチに座って竜二のことを考えていた。
「ちょ、いてぇーよ!!」警察の人に腕を引っ張られながら竜二はやってきた。
私はその場に近寄った。
「すみませんでした」清水先生は深く頭を下げて謝っていた。私も軽く頭を下げた。
「まぁ、今回は向こうから喧嘩をしかけたみたいで…5対1だったものわですから…彼は補導で一応済みました。先生も大変でしょうがしっかり見張ってくださいよ。」警察の人は呆れながら竜二の頭を軽く叩いた。
竜二はブスッとした顔で突っ立っていた。
こいつ…反省のはの字もねーな!!ほんとにもー!!!!!
「比嘉…先生に迷惑かけるな。この子にもな」そう言って私の方を向いた警察の人。
「おーわってるよー」頭をかきながら私のところに来た竜二。