世界の果てまでキミと一緒に。




「残念ながら私はスパイではありません」



藤堂は、俺の視線に気付いたんだろう。


そう言って否定した。



「私は、社長の傍に常にいる人間です。ですから社長の行動など全てを把握しています。なので、社長が疑うお気持ちもわかります。でも社長は私の中で尊敬している方であり、憧れでもあります。そんな風に思っている人の事を騙したり裏切るような事は私には出来ません」



藤堂が、そこまで俺の事を思っていてくれたなんて……。


藤堂は俺が桜子の事を調べるように頼んだ時も快く引き受けてくれた。


本当は早い段階でわかっていたのに、俺と桜子の関係の事で1人で1年も悩んで苦しんでいた。


そんな藤堂にスパイのような真似なんて出来ない。


俺だって藤堂の事は信頼しているというのに……。


だから今まで何でも藤堂に話、何でも相談してきた。


それは仕事の事だろうが、プライベートの事だろうと……。


何で俺は一瞬でも藤堂の事を疑ったりしたんだろう……。




< 142 / 179 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop