世界の果てまでキミと一緒に。



ホテルに行くまでの間、当然のことながら車の中に会話はない。


俺は桜子に対して、どう話しかけたらいいのかわからなかった。


桜子も前を見ているわけでも、俺を見ているわけでもなく、助手席の窓から見える流れる景色を見ていた。


30分ぐらい車を走らせ、ホテルに着いた。


30階建ての、いわゆる高級ホテルと言われるそこは、一条家が昔から利用しているホテル。


宿泊はもちろんスイート。


一条家の人間が、いつ泊まってもいいように5部屋あるスイートルームのうち2部屋は常に開けてある。


藤堂が電話で行くことを告げ、ホテルに到着すると支配人が出迎えてくれる。


フロントでの面倒なチェックインなどの手続きなど不要だ。


それだけ一条家の人間ってだけで特別扱いされるし、ホテル側にとってはお得意様でもあった。




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