わかれあげまん
「ねーねー、柚せんせ~!新しい先生だよ?かなたせんせいってゆーの。」
も、もちろん知ってますとも…と心の中で呟きつつ、
そう紹介してくれた裕也くんに、
へ~~!そーなんだあ~!と驚いたふりをしてみせた。
「よかったね~!おとこの先生来てくれたから、女の子はうれしいよね~」
「うん!」
「えー。あたちは柚せんせいのほうがすきー!だっておとこってアホなんだもーン」
そう言いながら、品定めするかのようにいっちょ前にあごに指を置き、哉汰をじろじろ眺めまわす美穂子ちゃん。
「柚だってアホじゃん!俺のカンチョーとかすぐ食らうもん」
にやけながら言うアキラの言葉に哉汰がブハっと吹き出し笑った。
頬を染め、じとーっとしたうらみがましい眼差しでアキラを見た柚だったが
くくくと可笑しそうにお腹を曲げ笑う哉汰に、柚も焦りながら、
「じゃ、じゃあ藤宮くん、とりあえず画用紙配ってください」
と小声で指示を出した。