わかれあげまん
* * *
一時間半の後。
「いやーホント、驚いたよ実際僕も。」
そう所長が言いながら、スタッフルームのキッチンのシンクに寄りかかってコーヒーをすする哉汰をニコニコと見やった。
「あそこまで子供の扱いがうまいとはねえ。想像もできなかったよ。」
所長の言葉に、柚もうんうんと二度頷いて同意した。
「同感~!藤宮くん、保父さんとか余裕でいけそうですよね」
柚が言った言葉に、
「保父なんて俺絶対無理だから。」
と意外にもきっぱり否定する哉汰。
「週一で一時間半っていう条件だから耐えられんだよ。これ以上は限界。」
「ええ?そっかなー。藤宮くん、ちゃんと一人一人の子のレベルで接してたし、一日で超懐かれてたじゃん。」
もちろん心からの賞賛のつもりで言った柚だったのに、哉汰は憮然と彼女を見ると。
「それって俺の精神年齢がガキレベルって言いたいわけ?」
「ええ!?ち、…そーじゃなくてっ…!」