わかれあげまん
コーヒーカップに口をつけたまま恨めしげな目つきで柚を睨む哉汰に、柚は焦って弁明しようとしたがその時。
ガチャリと無遠慮に開かれたスタッフルームの扉。
そしてはしゃぎながらなだれ込んできたのは数人の美大受験クラスの女子高生たちだった。
「あ~!居た居た哉汰っち先生!」
ぎょ。と柚は目を見開き彼女たちを見た。
か、かなたっち!?
ナ、何かよくわかんない単語が…
と柚が戸惑っているうちにも、女子高生5人組は無遠慮にスタッフルームに駆け込むと、瞬く間にキッチンに立っていた哉汰を取り囲んでしまった。
「かなたっちー!昨日の約束どおり携帯もって来たから、メアド交換して~♪」
女子高生の一人がそう甘ったるい声で哉汰にポケットから自分の携帯を呈した。
私も~!と口々に言いながらわらわらと他の女の子たちも、制服のポケットから携帯を取り出し、手を伸ばして長身の哉汰の鼻面に携帯を突きつけている。
な;
なんじゃこりゃ。
柚は口を半開きにして哉汰を見た。