わかれあげまん
「…わり。俺今日携帯忘れたし。」
「あ!ちょ!ひどーい!」
明らかに誤魔化した風な哉汰に、女子高生たちのブーイング。
「こらこら、キミたちは。イケメン新任講師に早速熱あげて;」
大人な所長がいつもとたがわぬニコニコ顔のまま穏やかに彼女たちを窘めた。
「え~?いいじゃん、高戸っち~~♪」
「た、たかとっちぃ…!?」
偉大な所長に対してさえの彼女らのその砕けように、遂に柚は素っ頓狂な声に出してしまった。
「あ~、なんだあ~ベビッちも居たんだ♪こんちは~!」
「…」
へ?
…べビッち?べビッちって、
「あた、あたしのことぉ!?」
柚はさっきよりもっと素っ頓狂に叫び、すると女子高生たちは。
「だって星崎先生って何か赤ちゃんみたいなんだもん。べびっちだよねー!」
「んだよね~~!」
そうキャッキャと笑う女子高生の声にシンクロしてブハッと吹き出したのは、所長と哉汰だった。
最近の女子高生には、…ついてけないよ;
柚は複雑な苦笑いを浮かべ、溜息をついた。
っていうか。