わかれあげまん
知らない間に藤宮くん、受験クラスの子達とももうこんなに打ち解けてるし;
呆れるというより柚は少し不思議に思い、女子高生に囲まれわいわい言っている哉汰をしげしげと観察した。
特別ひと懐っこいってわけでもなさそうなのに、…
藤宮くんって人を惹き付ける何かがあるのかな…
あ;あ~あ~あ~;
携帯ないとかって、見え透いた嘘つくから。
ポケットとかごそごそ強制捜索されてるし~。
傍から見てるとかなり馬鹿っぽい集団なんですけど…;
いつの間にか自分の傍に来た所長が、柚にそっと耳打ちしてきた。
「妬けちゃうよな。あのモテっぷり。」
いっ!?
っと柚はぎょっとして。
「ナ、何でです!?あ、あた、あたしべつに、ちっとも妬けませんがっ!?」
鼻息荒くそう全力否定したのを、今度は所長がぽかーんと見る。
「え?…僕別に、キミが妬いてるって意味で言ったんじゃないけど?」
ワナワナ肩を震わせ頬を赤くする柚に、あれ?と眉根を持ち上げた所長。
微妙な空気が二人を取り巻こうとした時。