わかれあげまん
「ベッドのあるとこ入るか?」
「…は?」
「その辺のホテルとか。…」
柚は大袈裟に眉を曲げ、哉汰を見やった。
「も、もお!またジョーダン!からかわないでってば!」
紅に染まる頬をぷっと膨らましそっぽを向くと。
「いや、今のは本気で言ったんだけど?」
不機嫌そうに低く返された言葉に、柚はあわててまた哉汰に視線を戻した。
神妙な顔のままじっと観察するように注がれる眼差しに、柚はもっと眉を曲げた。
「うそ…」
「いや、マジ。…身体壊されても困るし。あと言っとくけど泊まるのはあんただけで。」
「……」
耳を疑うような哉汰の言葉に、柚はぽかんと口を半開きにしてしまった。
「俺はここで寝れるし。」