わかれあげまん
わかれあげまんなどと言う肩書きなどまるでどこ吹く風な飄々とした哉汰に、柚本人が逆に妙な違和感を覚えるほど。
そして彼女はムムッと口をへの字に曲げると。
「い、いいです!ここで寝ます!お気遣いどうもっ!おやすみ!!」
バフッと乱暴に助手席に突っ伏し、哉汰の方に背を向け、柚は半ば自棄気味にギュッと目を閉じた。
クスクスとおかしそうに笑ってから。
「あんまり悩むなよ。…おやすみ。」
返された声の優しさに、柚はまたハッとした。
あ…れ?
も、もしかしてまた、あたしがイジイジ悩んでるの感じて…
気持ち変えさせてくれた、とか?