わかれあげまん







* * *


シャワー室事件以来久しぶりに下宿に戻った柚。


疲弊した身体をベッドにうつぶせに投げ出し、哉汰にメモしてもらったメアドを登録しようと、こちらもまた半日以上ぶりに携帯の電源を入れた。


とたん、大量のメールが立て続けに着信し、

やっぱし。

と柚は眉を顰め、バフッと枕に顔を埋めた。


全く見たい気がしないが、一生見ないわけには行かない。


のそりと顔を上げ、仕方なく蓋を開けディスプレイを確認した。


美也子からのメールが8件。

美也子とサチヨからの着信が入り混じるようにあった中、見知らぬ番号からの着信が…


14回。


おそらくこれが渡良瀬の番号であろう。





ヘヴィーな気分のまま、まずは哉汰のメールアドレスを登録し。




はあ。

気が重いけど、美也子に電話しよう。

美也子、なんて言うかな。

呆れるだろうな…


…そんなことを考え泣きそうな気分で、柚は美也子の番号をコールした。


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