わかれあげまん




「よせって。ルゥ。」


「黙って。…ルゥ、カナタ、ダイスキだから何でもしてあげたい。」


悪戯っぽく囁いたあと、彼女のセクシーな唇は、愛の施しを始めようと哉汰の胸元を下へ下へと滑り降りていく。








「……。」

自分と愛を交わし、絆を確かめるまでは、到底彼女は帰るつもりがないのだと悟り。




哉汰は力なく天を仰ぎ、きつく目を閉じた。








薄気味の悪い虚無感が身体中を浸していく。



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