わかれあげまん
「え」
ビクっと肩を揺すり顔色を変えた柚に、彼女を含むルームメイトたちがしたりと笑った。
「何かすごく会いたそうにしてたけどぉ…渡良瀬さんと何かあった?」
うぐっと目を剥き、額に変な汗が伝う。
「そ、それは…;」
しどろもどろに言い、項垂れる柚に。
「まあ、でもさぁ。柚に興味持つ男ってやっぱあれなわけじゃん、あんたのその“特異体質目当て”っていうかさ。だから気をつけた方がいいんじゃない?」
…よくお分かりで。
と柚は虚ろな目を上げ、肩を落とす。
「…うん。気をつける。」
やっぱみんなも分かってるんだ。
あたしに近づく男なんてみんなそうなんだって。
『別れる』ことが大前提なんだってこと。
はあ。…分かってる事とは言え…悲しい。