わかれあげまん





そんな自分の姿を、少し離れた中庭の遊歩道沿いの植え込みの辺りからじっと不審げに見つめている者がいることを知る由もなく。


やがてトボトボと総務棟の方へと向かいだした。



小さな柚の後姿を、槙の木の幹の影から見送るルチアの目は冷やかな光を宿し、鋭く細められた。













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