わかれあげまん
それを聞いた柚は小ぶりのおにぎりを口に入れながら、驚いたように哉汰を見て。
「ほんとに?」
「ああ。」
「カノジョに…ルチアちゃんは、作ってくれたりとか、ないの?」
図らずぽろっと出てしまい、あ…と今度はがは小さく呟く。
「…あいつはそういうキャラじゃないでしょ。」
「…」
寂しげに笑いながら言って、箸におにぎりを突き刺し、哉汰もそれを口に放り込んだ。
「そ、…なの?…あ、そか、ルチアちゃんはイタリア人だもんね。日本のお弁当とかそういうの、よくわかんないんだよ、きっと!」
「…。さあ。どうかな。」
眉を跳ね上げ、少しおどける様に言う哉汰。
読めない。…
カノジョの事を、どう思っているのか。
気になるよ…
徐々に俯き、噛み締めていたおにぎりをごくりと飲み下すと。
柚は思い切ったように勢いよく顔を上げた。