わかれあげまん



「本当に……すいませんでした」


柚は改めて美形男に頭をさげ、そのまま幽霊みたいにふらーっと踵を返して男性トイレをあとにしようとした。


「で、そんなフラフラでどこ行こうっての?」


とすかさず彼が背中に投げてきた。


「え、……あ、授業に」


は!と呆れ果てたようなため息が聞こえ。


「何言ってんだか。半分死人みたいな顔して」


え。


困惑顔のまま振り向くと、彼はいきなり柚の腕を自分の肩に回し、そしてまたきっぱり言った。


「医務室まで連行」


え?え?と柚が展開に慌てふためいている間にも、この行動力抜群の美形男は彼女を支えながら颯爽とトイレをあとにした。
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