わかれあげまん
静司はフッと勢いよく煙を吐き出し、続けた。
「とんとん拍子で芸大に進学したまではよかったのに…お前は俺に断りなく、ヴィジュアルデザインに籍を置いた。」
「…はぁ!?…何言ってんだよ。どんな進路に進もうと、専攻選ぼうと俺の
勝手だろ!?」
「全くお前は立場を理解していないな…」
低く呟いた静司は表情を固くし、顔に深く皺を刻んだ。
「お前は“藤宮哉汰”だぞ?…藤宮静司の一人息子なんだぞ!?」
「!!」
「よくもしでかしてくれたよ…フランコの前で、俺の顔に泥を塗るようなマネをな。」
「カンケーねえよ。ンな事は。」
そう返す声は、憤りに微かに震えていた。
「…ルゥも。親父も、お袋も!揃いも揃って俺をハメたってことか。…」