わかれあげまん




ゆっくりと身体をルチアへ向けた哉汰は、今にも泣き出しそうに顔をゆがめていて、彼女はハッとした。



そして次に紡がれた彼の言葉に、彼女は愕然となる。


「…謝らなきゃならないのは俺の方だ。…」


「え・・・?」


「俺は。」


再び前を向き項垂れた哉汰は、掠れた声で続けた。



「最初から、心のどこかで気付いてたんだ。…本当の恋愛じゃないって。」


「……。」


激しくかぶりを振るルチア。


「…違う。そんなのウソ!…」


「……。」


「カナタ、お願い!…ルゥの事見捨てないで」



必死に縋るような声で言うルチアに、俯かせた顔を上げもせず、嘲笑を含んだように哉汰は言った。





「もう…これ以上俺を惨めにしないでくれ。」




「・・・・・・。」




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