わかれあげまん
“ もう、終わりだ。 ”
無機質な音で低く唸るエンジンが、まるで物言わぬ哉汰のその最後の台詞を表しているかのようだった。
ショックのあまり愕然と目を見開いたままのルチアの頬を、幾筋も涙が零れ落ちて行った。
呆然と遠くを見つめたまま、ゆっくりとバンのドアを開け、ルチアは降り立った。
そのまま立ちすくむルチアをそこに置き、哉汰は静かにアクセルを踏んだ。
そして真っ暗な街路を抜けて、元の国道に向け、駆った。