わかれあげまん
感傷的なのに、吸い込まれるように優麗な眼差しを前方に向け、黙ったまま悠然とハンドルを握る哉汰に。
茫然と見惚れてしまいそして。
我に帰って、ほっと小さく溜息を漏らしてしまう。
かっと温度を上げる頬を両手で包み、またそれを思う。
どうしよう……
と。
いつしか車は細い山道を下りて、見慣れた国道に出ていた。
おかげで少しだけ冷静さを取り戻せたのか。
だめ。ダメだよ、柚。
哉汰くんは、あたしにとってサイコーのトモダチでいてもらわなきゃ。
毅然としたその想いをどうにか引きずり出してきて、そして柚は言った。
「あのね?…藤宮くん。」
「…」
「あたし…いつでも、なんでも話、聞くよ?…だから、…」
「……」