わかれあげまん
なんて冷徹で、悲しい瞳をしてるんだろ…
柚は茫然とその哉汰の瞳を見つめながら、理由の分からない嗚咽を堪えきれなくなった。
ひくっ。
ひ・・・く
しゃくりあげながら表情が歪んだ柚に。
「…ごめん。…」
微かな声がそう届いた。…
熱っぽい広い掌が自分の肌の上を優しく滑り、包むようにしながら右のふくらみに登っていった。
「ふじ、みや、く…」
涙に咽ぶその呼び声は情けないほどに甘く愛らしかった。
それが哉汰の冷えていた心を少しだけ溶かしたのかもしれない。
柔らかく絆されるように微笑んでから、再びゆっくりと口付けられた彼のそのキスは。
ひどく切ないのに、一方では泣きたくなるように優しかった。
気付けば柚は細い腕を伸ばし、彼の首の後ろに絡めて。
そのキスを夢中で受け止めていた。