わかれあげまん
上気した、やるせない表情で自分を見上げる潤んだ瞳。
速い息づかいの合間に、「藤宮くん」と切なく自分を呼ぶ、蕩けるように甘い声。
密着した肌は熱く、吸い付くように滑らかで。
ひきつるような小さい悲鳴と同時に仰け反った、すべらかな喉。
そこに唇を滑らせるのは。
…
見開いたままの目をどこともつかない場所に視線を置き、
「う…そだろ。」
と哉汰は茫然と呟いた。
ゆっくりと顔の前に持ち上げた掌を開き、 凝然と見てから目を細めた。
ありえない…
俺、…抱いたのか?
あの人を。