わかれあげまん




「え、…えと、お茶でも淹れるね…」



立ち上がろうとした柚の手を、哉汰が強く掴んだ。



「ひゃ…!?」


柚は悲鳴にも似た戸惑いの声を上げた。


熱っぽく強い視線は、まだ哉汰の体温が高いせいなのだろうか。


それはまるで柚の心の深淵に食い込もうとしているかのように、チリチリとした痛みさえ覚える。


目を逸らしたいのに。


それを許してくれない。



掴まれた腕を柚は小刻みに震わせ、その恐怖に耐えていた。





< 303 / 383 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop