わかれあげまん
「…今はそっとしといてあげるけど。いつまでも一人で抱え込まないでよね?困った事になったらすぐ言うのよ!」
「美也子、なんかお母さんみたい」
もらったティッシュでズビッと鼻をかみながら柚は少しだけ笑った。
「ありがとね。…心配してくれて。分かってるから。このままじゃダメなの、分かってるから。」
苦笑いのままそう言って、制作棟の方に向かおうとする柚の背中に、美也子は慌てて声を掛ける。
「ああ、でも結論は急がなくていいかもよ!?」
「え?」
「ってなんか、矛盾してるか。…」
複雑な表情で顎に指を当て、ううむと考出す美也子を、柚はまた涙まじりでクスクスと笑った。