わかれあげまん



そういえば・・・


「藤宮くん…風邪、大丈夫?…まだちょっと、息が熱っぽい。…」



「あんたの身体も少し熱っぽい。」



顔をうずめたまま言ったので、哉汰の声はくぐもっていた。



「…伝染しちまったかな。」



「…///」



そうだとしたら嬉しい…、なんて思ってしまう自分にまた焦る柚。



クスクスと笑いだした哉汰に焦って、な、何?と尋ねると、


「今急にドキドキ言いだした。…柚の心臓」


と返され、焦燥は募る。



「や、…だ…!?」



その体制のまま哉汰は右手を器用にベッドの上に伸ばし、ブランケットを引き摺り下ろしてきて二人の上からふわりと覆った。



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