わかれあげまん
行 方



覚悟をみなぎらせ、凛とした目を見開いたままの柚の白い首筋を渡良瀬の舌がせせら笑うように無遠慮に滑る。


「ほら、…どうしたよ柚。もっと楽しめよ。いっぱい感じてるとこ見せてやらないと、…キミの大好きな藤宮くんにさ。」


そう侮蔑的な言葉を浴びせられても、柚は澄んだ色の瞳でまっすぐ天井を見つめ、微動だにしなかった。




「ま、いいや。…いつまでそうやって強がってられるかな?」



乱暴に掛けられた手が柚の上着を薙ぎ払うように脱がせる。



次第にエスカレートしていく渡良瀬の行動。



嘲り笑いすら浮かべカメラを回し続けるルチア。



柚は苦しげに目を細め唇をきつく噛み、屈辱に耐え忍んでいた。


その時だった。





コツコツコツ、と軽快な足早な靴音が耳に届いた。


それが勢いよくこの部屋に近づいていることに渡良瀬もそれに気づき、一瞬顔を上げる。




そして。
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