わかれあげまん
美也子は最後の望みをかけ、柚のバイト先の美術研究所の電話番号を検索し探し当てると急いでコールした。
「…もしもし。…あ、すいません私、美大の日本画専攻で星崎柚の友人の、坂下美也子といいます。…あの、柚、今日そちらに行ってますか?」
女性の事務員が穏やかな声で回答した。
「申し訳ありません。星崎先生は一昨日付でこちらを辞職されまして…」
「あ、…そうなんですか。…わかりました。どうもすいません。」
美也子はそう声のトーンを落とし、電話を切った。
目を泳がせ思案しても、、もうそれ以上、柚とコンタクトを取る手段を思いつくことはなかった。
(どこ行っちゃったのよ。…柚。)
意気消沈し視線をつま先に落とすと、美也子は深いため息を吐いた。