わかれあげまん






***


デスク横に立てたイーゼルに置いたデザインボードを脇へ下ろし、哉汰は大きく伸びをし腕時計を見た。


やべ、もう11時じゃん。

帰ろ。



立ち上がり灰皿の吸い殻をシンクの殻入れに捨て、洗って伏せた。



窓からすっかり闇にしずんだ総務棟を見る。


一階の医務室の灯りも消えていた。


無事帰れたのかな。あの子。




ぼんやり視線を置いたまま数秒考えた後、哉汰は部屋を消灯し出て行った。


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