わかれあげまん
込み上げる羞恥と、それを上回る快楽と、愛しさと切なさとに。
幾度となく溺れて、揺らされて。
どれ程の時間を費やしたのか。
柚は激しく息を乱しながら恍惚と見上げていた。
癖のない焦げ茶色の髪の奥の額を汗に濡らし。
下ろした瞼を縁取る生え揃った睫毛を震わせている美青年を。
少し前果てた筈の哉汰の分身が、熱く潤った柚の体内で不規律に震えながら、瞬く間に再び力を漲らせてゆく。
「ヤ、バ…、止まんねぇ…」
上ずった声でそんな言葉を囁かれ、柚の胸はズクンと疼く様な感覚に見舞われた。
「も、…無理ぃ」
息も絶え絶えに泣き出しそうに告げてきた柚に優しい微笑を返した哉汰は、細身だがしっかりとした体躯を愛しげに寄せ。
そして彼女の艶めいた唇を名残りおしそうに指でなぞってから、甘く口付けた。