わかれあげまん
「ふ、藤宮くん!?いつのまに…」
狼狽して柚が尋ねると、
「次の講義、ココだから。」
とムスッと答えた。
ぽかんとする柚の隣の席にすとんと腰を下ろすと、ふっと息をついて見上げて。
「知らないと思うけど。専攻内では俺わりと優等生なんだぜ?」
「ええ~!?何かそれ、自画自賛~」
柚は疑わしそうにニヤニヤしながら人差し指で彼の頭をつついた。
その手をパシッと掴んで止めた哉汰がぐっと自分を睨みあげてきて、柚は焦った。
わわ!
怒らせちゃった?
とおどおどしてるとやにわに、哉汰の口端がきゅっと持ち上がり。
「なんちゃってな。…まあ、助手っていうのはちょっと大袈裟。VD1代表ってか、取りまとめ役。」
なんだ~、そっかあ。
柚がほっとして肩を落とすと。
「でも、声がかかったってことは将来有望視されてるわけじゃない?」
美也子が自分の事のように嬉しそうに横槍を入れてきた。